■障害のある人の在宅就労を考える
トライアングル

機関紙『トライアングル』は三菱商事株式会社様のご協力により発行しております。

Vol.69 
CONTENTS 2018.11(平成30年)

在宅雇用20年の功績に感謝 -沖ワークウェル様の20周年懇親会に参加して

 去る10月26日、オペラシティの高層階のレストランにて、株式会社沖ワークウェル様(以下敬称略)の20周年記念懇親会が開かれました(右下写真)。

 沖ワークウェルはホームページの作成やデザインなどを行う「沖電気工業株式会社」の特例子会社であると同時に、障害のある方の在宅雇用については “知る人ぞ知る”の先駆的事業所です。
 今でこそ「テレワーク」は働き方改革の具体策の1つですが、ネットワークやツールが未発達であった20年も前に、それに真摯に向き合い、道無きところに道を作って来られた実践は他に類を見ません。

 実は、その実践は、わたくしども東京コロニー職能開発室の在宅就労支援の歴史とも深く繋がっています。1998年当時、すでにわたくしどもではIT技術者養成のための在宅講習を開催しておりましたが、情報処理の国家資格を取れるような受講生でも「雇用」となると就職口は簡単ではなく、修了後はフリーランスでプログラム開発やデータ制作に従事するのが一般的でした。
 そんな中、適性のある講習生を在宅のまま次々と社員として受け入れて下さり、バーチャルなオフィス環境でも成果が上がることを実証したのが沖ワークウェルでした(正確には前進の沖電気工業株式会社社会貢献推進室)。当時入職した講習生は社員1号としてその後次に続く方々の道を耕すこととなり、結果、在宅勤務者は現在50名に至っています。

 この日は、前社長様のご苦労のエピソードをうかがったり、多くの社員様のお顔を何年かぶりに拝見したり、胸の熱くなる嬉しい時間でした。皆様の柔らかな笑顔には、現在の充実とここに至る実践への確かな矜持が垣間見えました。あらためて心より、お祝いと感謝の気持ちを送ります。

(堀込)

集合写真

特集 国際福祉機器展 2018(10/10、10/11、10/12)
― スタッフによるセレクト 「見つけた!、この一品」(PartⅡ) ―

国際福祉機器展の写真
 昨年に続く第2弾です。
 東京ビッグサイトで開催された「H.C.R 2018」国際福祉機器展に出展された星の数ほどの機器の中で、見学したスタッフの独断による「見つけた!、わたしのこの一品」をご紹介します。
NO1.スタッフU(男性)スタッフUの絵
製品名:指伝話 有限会社オフィス結アジア 価格:3,600円~(タイプ別)
指電話の画像「これは機械ではありません。機会です。」と、印象的なキャッチコピーをもつコミュニケーションアプリです。画面操作することで、事前に登録した言葉の音声を流してくれるので会話補助に役立ちます。iPad/iPhoneでのみ使用できますが、それゆえにiOSが持つ他言語音声機能を利用可能。いくつかのタイプがあり、画面操作はタップやスイッチを用いて行います。
NO2.スタッフS(女性)スタッフSの絵
アルテクセミナーを受講
ITセンターでお仕事をしていると、電子機器だけに目がいきがちです。今回のセミナーでは、『ご本人がどういうことをしたいかを基本にして、機器を選択する』ことが大切だと。電子機器だけに注目するのではなく、身の回りにあるもの(物や情報や技術)を『使えるものは何でも使い利用する』ことが大事。「出来なかった事が出来るようになった。そして、さらにもっと出来るような世界になってきた」とは先生の言葉。ハイテク、アルテクを上手く組み合わせ、良いとこ取りを目指します。
NO3.スタッフK(女性)スタッフKの絵
製品名:Switch Bot メーカー:Wonder Tech Lab 価格:4,480円/個(スイッチ単体)
SwitchBotの画像スイッチのON/OFF、その単純な動きを遠隔操作できる小さなロボットです。使用例として3Dプリンタで作ったパーツと組み合わせて電動ベットのリモコンボタンの操作に使われていました。スマホのアプリで簡単に設定でき、スマートスピーカーとの連動や外出先からのコントロールも可能。便利の形は人それぞれですが、あったらいいなを身近に感じる製品でした。
NO4.スタッフH(女性)スタッフHの絵
サービス:自助具ワークショップ 国立リハビリテーションセンター研究所
ケーブル着脱ホルダーの画像国リハ研究所で福祉機器開発の一環として実施されているワークショップです。これまで手作りで難しかった自助具を、普及してきた3Dプリンタで自由度高く立体造形できるようになりました。複製も簡単。ニーズとシーズのマッチングとともに、必要なものを安価に供給できるワークショップ、いいですね。

IT技術者在宅養成講座コーナー
― 平成31年度 IT技術者在宅養成講座 受講生募集 ―

 来年度の『IT技術者在宅養成講座』募集開始のお知らせです。当講座は1982年(昭和57年)開講と長い歴史を持ち、これまで100名以上の修了生を輩出してきました。今回が平成最後の募集です。
(これまでの修了生の就労事例)。
◆IT技術者在宅養成講座とは

 改めてのご紹介となりますが、当講座は在宅にて就労に必要な情報技術を学ぶ講座です。基本的なパソコン操作から専門的な情報技術や業務知識を学び、実践的な演習をとおして息の長い技術者の育成を目指します。また、情報処理に関する国家資格の取得も可能で、1年次はITパスポート試験、2年次はコースに応じてMOS資格、基本情報技術者資格取得に向けた学習を進めていきます。(当講座は、基本情報技術者試験の午前免除制度における認定講座です。)
あわせて就労する上で欠かせない社会性やビジネスマナーの修得も目標としています。

◆講習期間と講習方法

 講習期間は2年間。1日4~6時間(週4日以上)学習となりますが、夏季・冬期・春期と長期休暇も設けています。
講習方法は講習計画とテキストに従って学習を進めていきます。毎日、インターネット上の講習システムを利用し、学習報告・質問・課題提出を行っていきます。また、月2回ほど講師が自宅訪問指導、年5回ほどの集中講義などを実施しています。

◆カリキュラム
カリキュラムの画像

 2年間という長い講習期間となりますが、カリキュラムは1年目前半と1年目後半~2年目と2段階で構成。
 1年目前半までは全講習生が「コンピュータの基礎知識を身に付ける」ことを、1年目後半からは「コースに分かれ実践的な技術を身に付ける」ことを目指します。コースは各講習生の希望により決定。ただし学習内容については学習状況や身体状況を考慮し柔軟に対応しています。

◆申込方法

 申込方法の詳細については、『東京コロニー職能開発室』WebサイトTOPの新着情報「平成31年度IT技術者在宅養成講座(東京都重度身体障害者在宅パソコン講習)募集開始のお知らせ」よりアクセス可能です。もしくは、以下URLに直接アクセスのほどお願いします。
https://www.tocolo.or.jp/syokunou/kyoiku/boshu_2019.html
 また、来年度募集より、従来の郵送での申込に加え、電子メールを利用した申込も開始しました。こちらも詳細はWebサイトにありますのでご確認ください。

◆募集スケジュール

 以下の日程とさせていただいております。

① 募集説明会2018年12月 5日(水)
② 申込期限2018年12月18日(火)
③ 適性試験2019年 1月 16日(水)
④ 面接2019年 2月 6日(水)
⑤ 総合判定2019年 2月 中旬

その他、募集に関しての質問などは東京コロニー職能開発室までご連絡お願いします。(受川)

●お問い合わせ先

電話:03-6914-0859 FAX:03-6914-0869

シリーズ第31回 東京都障害者IT地域支援センターだより
― 平成30年度IT支援者養成研修【出張型】募集中 ―

IT地域支援センターだより
コース テーマ 講座概要 主に対象となる障害特性
 コース1 コミュニケーションを支える コミュニケーション障害をカバーする会話補助的な支援技術(意思伝達装置を除く) 聴覚障害
発達障害
言語障害 等
 コース2 意思伝達を支える 意思の表出が困難な方のための意思伝達を中心とした支援技術 ALS、脳血管障害の後遺症など、意思伝達、意思表出が難しい方
 コース3 操作困難を支える 物理的な操作に困難をかかえるケースでの支援技術 上肢障害(肢体不自由)
 コース4 見えない、見えづらいを支える 視覚的な困難さをかかえるケースでの支援技術 視覚障害(全盲、弱視)
 コース5 理解、認知、記憶を支える 障害や疾病により、理解や認知、記憶等に困難さをかかえるケースの支援技術 発達障害
高次脳機能障害
知的障害、失語症等
 当センターでは、都内のIT基盤整備事業の一環として、障害者のIT支援関係を担当する区市町村職員・福祉センター・就労支援センター等の地域支援者様向けに「IT支援者養成研修」を実施しております。

下半期は、上記から一つご希望のコースを選んでいただければ、スタッフが器材を持って皆さまの所に出張して研修を実施いたします。
 現在の主流となる機器やアプリの資料を持参し、タブレットの実機体験等、実務に役立つような講座を準備しております。申し込み順での受付となりますので、お早目のご予約をお待ちしております。

 詳細はこちらを。
https://www.tokyo-itcenter.com/500jigyo/it-kensyu-2018-goout.html

(下澤)

●お問い合わせ先
東京都障害者IT地域支援センター
〒112-0006 文京区小日向4-1-6-1F
電話 03-6682-6308  FAX 03-6686-1277
Facebookページ
https://www.facebook.com/tokyoitcenter

おめでとう

就職おめでとう

株式会社東京放送(TBS)様に在宅勤務 決定

 F.Yさん  障害者手帳1種1級
 (IT技術者在宅養成講座 受講中)
おめでとう
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