■「在宅における就労移行支援事業ハンドブック」完成いたしました
■シリーズ 受講生インタビュー 第1回
「現在、在宅勤務目指して頑張ってます」
Vol.62
CONTENTS 2015.07(平成27年)
■「在宅における就労移行支援事業ハンドブック」完成いたしました
■シリーズ 受講生インタビュー 第1回
「現在、在宅勤務目指して頑張ってます」
障害や疾病のため、就労移行支援事業所に通所することをあきらめていた方々に朗報です。これまで正式には認可されていなかった就労移行支援事業の在宅での利用が、この春より可能となりました。
とはいえ、「通うことが訓練の一歩である」という考え方がメインである中、就労移行支援事業を行う側も受ける側も「在宅で実施」方式には戸惑いも多いことでしょう。
そこで、昨年度、東京コロニーもメンバーとなった研究会(注1)にて、就労移行支援事業を在宅で円滑に利用するポイントを整理したハンドブックを作成いたしました。
ここ数年のITの飛躍的な進化に伴い、障害のある方の在宅就労の機会は着実に増えつつあり、重い障害や疾病のある方にとって希望の働き方となっています。在宅での就労移行支援事業の実施意義が、関係各位に十分ご理解いただけるものとなるよう、祈念してやみません。当ハンドブックがその一助となれば幸いです。
(堀込)
●在宅における就労移行支援ハンドブックのURL
社会福祉法人東京コロニー職能開発室
http://www.tocolo.or.jp/syokunou/syurou/handbook.pdf
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/shurou.html
私どもが実施しておりますIT技術者在宅養成講座も、本年度は33期生を迎えました。 既に100名を超える受講生の皆さんが在宅で働くための技術・マナーを学んでおられ、修了された方々の多くは社会に出て活躍されています(職能開発室サイトの「在宅就労の実例」をご参照ください)。 受講生募集に当たっては毎年多くのご相談やご質問をお受けいたしますので、今回は、受講を検討されている方々に向けて、現在学んでいる受講生の方の生の声をお届けしたいと考えております。
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高校の先生からの紹介でした。今のままでは、働くためのマナーも技術も足りないので、それらを在宅で身に付けられるというところに興味を持ちました。また、同じ学校の先輩も受講されたと聞いたので、希望しました。
学校の授業でWordやExcel等を少し触った程度でした。実は、中学生のときに担任の先生から「パソコンを使えるようにしよう」と言われたのですが、あまり興味が持てなくて。
自宅にパソコンはあったので触ってみたのですが、障害のために段々マウスが使い難くなってきて上達しませんでした。
僕はキーボードを使えませんので、指先でスイッチをクリックするとカーソルが自走するタイプの支援機器(ワンキーマウス)を使っています。高校生になったころ、理学療法士の先生に教えて頂いて使い始めました。使い慣れてくると操作も楽になり、文字の入力やインターネットの閲覧などはスムーズに出来るようになりました。学校から出される課題をメールで提出することもあったので、操作そのものは自然と身についていきました。
平日は午前中3時間、午後2時間の一日5時間を毎日続けています。通院や検査入院などで時々休みますが、それ以外はほぼ毎日です。
1年生の夏休みは秋の情報処理技術者試験のITパスポート試験対策に追われていたので、夏休みでも休まずに普段の半分くらいは学習時間にあてました。
この講座を受講する前はプログラミングをやってみたかったのですが、1年生の最初の頃にC言語を学んで、自分には合わないなと思い、アプリコースにしました。
まずはメールですかね。講師の先生方とのやり取りでは、言葉遣いや返信するタイミング、お礼を返すべきかどうかなど細かなマナーを指導して頂くのですが、なかなか上達しなくて。
あとは時間の使い方でしょうか。学習や課題に集中していると、予定時間よりオーバーしてしまう事もあり、1日の学習の最後に行う報告では疲れてしまい、ちゃんと報告できないときもありました。
毎日継続する事の大変さです。受講する前は甘く見ていたのですが、思ったよりやる事が多く、あっという間に時間が経ってしまいます。でも、その甲斐あってITパスポートに合格できたときは達成感もあり、夏休み返上で頑張ってよかったと思いました。
まずは社会人として、マナーをしっかりと身に付けたいです。先日のビジネスマナーのスクーリングでも実感しましたが、特に在宅で働くためにはポイントを掴んだメールの書き方などが重要です。講師の方々のようなメールが自分でも書けるようになりたいですね。
2年生になって一段とビジネスマナーを意識するようになってきましたね。形式を大切にすると同時に、やはり気持ちを伝える事が第一。継続することで自然と身に付いてきますよ!。「プログラムは自分には合わないな」と思えたことも大事なことです。本気でトライしたからわかったこと。今後も色々なことにチャレンジしながら、ご自身の道を選んでいってください。
(山崎)
私どもが実施する「IT技術者在宅養成講座」では、就労準備の一環として企業様のご協力を仰ぎ、事業所の活動現場を見学させて頂いております。昨年度は、品川シーサイドに拠点を置く、楽天ソシオビジネス株式会社様にお伺いさせて頂きました。今回の見学は、代表取締役の杉原様をはじめとし、多くのスタッフの皆様の多大なるご尽力により実現致しました。
楽天ソシオビジネス様は、大手インターネットショッピングサイトをはじめとして、様々な分野でのサービスを展開する楽天グループの特例子会社で、主な業務はグループ内の多様な業務のサポート。100名近くの障害のある社員様が幅広い分野で活躍しておられます。
見学の始めに、楽天ソシオビジネス様の事業内容や障害者就労の現実など、受講生が今後直面するであろう実態を細かくご説明頂きました。特に在宅で就労されている方から頂いたコメントは、皆、自分自身のイメージする働き方と重ね合わせながら聞き入っておりました。
その後のオフィス見学の際には、当日参加した受講生一人ひとりにご案内の担当者を付けて下さり、フロアの説明から仕事の様子など、細かくお話を伺う事が出来ました。特にオフィスフロアでは、動線や色彩、デスクの高さや間仕切りなど、働くことに対する配慮のポイントなどをお伺いし、働く空間の充実度に、受講生の就労への意欲も益々高まったようです。
当日はお天気も良く、楽天タワー13階のカフェテリアの見事な眺望は富士山もはっきりと眺める事ができ、受講生にとっても職員にとっても、貴重な思い出となりました。
(山崎)
去る5月21日、厚生労働省に、「就労中あるいは公的な就労支援事業の利用中におけるヘルパー利用制限に関する意見書」を提出してまいりました。
現行制度では、
これでは、せっかく在宅で就労や訓練ができる世の中になったのに、ヘルパーを利用している方々は「就労かヘルパーか」の二者択一を迫られるというわけです。このことの問題性は、在宅雇用や自宅で請負の仕事に就いている全国の方々から既に指摘されており、現にこれが理由で就労を諦めている人たちが出てきている実態があります。
重い障害や疾病があっても、持てる可能性を活かして働ける国であるために、ぜひ現状をご確認いただき、喫緊の制度の見直しをお願いしたいと思います。
(堀込)
毎月好評いただいているセンターのメルマガ「itc通信」。実はこの制作スタッフS氏は新潟の病棟からテレワークで勤務しております。 このたび某大学の実験協力で、iPadを装着した遠隔ロボット「Double」(写真)がセンターに来たことを機会に、東京スタッフは、新潟からS氏がアプリで遠隔操縦するこのロボットと一緒に働くこととなりました。
セグウェイのような車輪つきの棒の上にiPadがあり、画面にはS氏の顔が写ります。前後左右に自走で移動し、顔の高さも調節しながら、車椅子の来館者さんとお話したり、「あの展示はどこ〜?」などとトコトコ動き回ったり。まるで本人がいるかのようです。
仕事の効率をはじめとしたDoubleの業務の様子は、Facebookでお伝えしてまいりますね。「いいね!」が100件を超えた、感謝と奮起のページをどうぞお楽しみに
(今津)
●お問い合わせ先
東京都障害者IT地域支援センター
〒112-0006 文京区小日向4-1-6
電話 03-6682-6308 FAX 03-6686-1277
Facebookページ
https://www.facebook.com/tokyoitcenter
<就職おめでとう> |
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◆株式会社セラクにて在宅勤務決定 |
東京都障害者IT地域支援センターでは、現在、都内の支援者を対象に、「IT支援者養成研修」を開催しています。最新のIT技術が様々な方の生活を支える道具となるよう、区市町村の支援者様とタッグを組み、スタッフ一同頑張ります。
(今津)