■難病のある人の福祉系就労支援に関するシンポジウムに参加して
■障害のある人の在宅雇用事例
徳重英樹さん 身に付けておくとよいのは「情報リサーチ力」と「コミュニケーション力」
■障害者委託訓練(e-ラーニング)の受講資格が緩和されました
Vol.61
CONTENTS 2015.03(平成27年)
■難病のある人の福祉系就労支援に関するシンポジウムに参加して
■障害のある人の在宅雇用事例
徳重英樹さん 身に付けておくとよいのは「情報リサーチ力」と「コミュニケーション力」
■障害者委託訓練(e-ラーニング)の受講資格が緩和されました
去る3月7日に開催された「難病のある人の福祉系就労支援に関するシンポジウム〜その利用実態と今後の展望〜」に参加してまいりました(浅草橋ヒューリックカンファレンス)。筆者も参加させていただいている厚生労働科学研究(障害対策総合研究事業)の中間発表として実施されたものです。小規模場ながら、患者団体、難病相談支援員、就労支援員、医師、保健師、研究者など多様な専門職の方が集いました。
難病のある人が障害者総合支援法の対象となったことにより、障害者手帳の取得にかかわらず、2013年4月から難病の方も必要な障害福祉サービスを使えることとなりました。しかし、当研究会が昨年実施した当事者へのアンケート(中間報告)によると、「就労系福祉サービスの制度自体を知らなかった」人は全体の6割強で、半分以上の方には情報が届いていませんでした。(図1)
「知らなかった」人の約6割は「知りたい」と答えています(図2)。
詳細は最終報告を待ちますが、「知っていた」人の情報源は「当事者団体」が最多で、職業訓練施設や市役所など肝心の職リハ関連や公的な窓口が意外と少なかったのは残念なことでした。
当日のご発表やご発言からは、難病者の就労における福祉・医療の包括的支援や、中核部署の明確化など、その特性ゆえの総合的なサポートの重要性が浮かび上がりました。様々な課題は、十分ではないにしろ、同じ道を「障害者の就労支援」も辿ってきており、少しだけわかっていることもあるように思います。難病者の雇用率や年金など現実的な支援策は山積みですが、就労関係の情報提供をはじめ、障害者福祉団体がやるべき責務が少しずつ見えてきたことがとても重要だと感じています。
(堀込)
徳重英樹さん
(頸椎損傷 1種1級:車いす利用)
(職業紹介サービス 2009年)
あらた監査法人(PwC Japan)
|
|
※PwC Japanは、あらた監査法人、京都監査法人、プライスウォーターハウスクーパース株式会社、税理士法人プライスウォーターハウスクーパース、PwC弁護士法人、およびそれらの関連会社の総称
私の業務はアプリケーション開発です。様々な部署からの依頼を受けて、新規開発や改修作業を行いユーザー業務をサポートします。進め方は、上司がユーザーとまず打合せを行ない要件を固めます。その後、ミーティングで指示をあおぎ、プロトタイプを自分が制作します。できたデモ版をユーザーに実際に使ってもらい、その意見を反映させていく形で微調整して完成へ。
依頼の中には監査に関連する専門用語などの知識が必要な案件もあり、最初は慣れるまで大変でしたが、作業していくうちに理解が深まりユーザーとの調整がスムーズになりました。
いえ、メールや電話が基本です。やっぱり肝心はメールですね。最初の段階では、ユーザー側も仕様など決め切れてないところもありますから、意図をお互い正しく伝えあうことや、認識にズレがないかの確認を怠らないことが大事です。簡潔でありながら、重点や補足点をわかりやすく。
週1日出社しているので、その機会に上司やユーザーとFace to Faceで話し、詳細部分を確認することもあります。1日ですがオフィスに行くことのメリットは大きいです。
英語は年に3回まで、ネットで試験を受けることができます。また、各自の自己啓発が求められるので、普段から外部のセミナーの受講や資格取得などで学習し、能力向上に励むようにしています。
学生時代は情報システム学科に在籍しIT企業を目指していました。大学3年の就活説明会で車いすでは通勤がかなり難しいということがわかり、ネットで調べて在宅勤務の形があることを知りました。まず、特例子会社に在宅雇用で採用していただき、5年勤めて今の職場に転職しました。
勉強は主体的にやっていないと仕事に響いてくるとは思いますが、残業は基本的にありません。また、週一回の出社は体調や天候を考慮してくれますし、出社の際など障害ゆえにできないことへの配慮は十分にしてくれます。感謝しています。
寝ることが好きなので気分転換は寝ることかな(笑)。時々舞台を見に行ったりもしますね。課題は専門領域を拡大することで、開発だけでなく運用管理のスキルを身につけて、自分がやれることを増やしていきたいと思っています。
身に付けておくとよいのは「情報リサーチ力」と「コミュニケーション力」だと思います。相手のメールからは、目的や背景をくみ取る、想像する。その裏にあるもののイメージも大事です。送る時は、意図が確実に文字として表れているかどうか。いずれも鍛えることが大切ですね。
前回お会いした時より一層仕事が充実なさっているようで、専門用語を話されるその横顔には貫禄さえ出ておられました。仕事に対して前向きの姿勢が、とにかくカッコイイの一言!。必要な配慮はするけれど、仕事や勉強は通勤者と差別はしない、そんな事業主さんの姿勢もまたカッコイイです。また美味しいものを食べに行きましょう。お体に気を付けて。
(堀込)
※PwC Japan様は障害者スポーツ選手(Challenged Athlete)の支援も行っています。
http://www.pwc.com/jp/ja/japan-profile/corporate-responsibility/our-approach/diversity/index.jhtml
みなさんは「障害者委託訓練」というものをご存知でしょうか。ハローワーク求職障害者の就職を実現する等のため、国と都道府県とが委託契約を結び都道府県が実施する障害のある方のための多様な職業訓練です。東京都では、(公財)東京しごと財団が民間事業者に委託して実施しており、就業向けての様々なプログラムが用意されています。
その中に、在宅で受講できる「e-ラーニングコース」というものが設置されており、IT技能・Web制作等を中心に、就業に活かせる技能を身に付ける為の訓練を在宅で受ける事が可能です。
平成26年度までは、「e-ラーニングコース」の応募資格に障害種別の制限がありましたが、平成27年度からは「都内在住で、通所が困難な障害者等の方」と改められ、障害種別や等級などでは無く、「通所が困難」という社会モデルでの判断となりました。この事により、これまで通所での訓練に難しさがあっても、受講機会を得られなかった方々も、公的な訓練を在宅で受ける事が可能になり、就業に向けての技能習得やスキルアップが図れるようになりました。
私ども東京コロニー職能開発室でも、平成18年度より本訓練事業の受託機関として様々な訓練コースを開講して参りました。平成25年度より実施している「HTML5で作るスマートフォンアプリ」コースでは、Web制作技術と、それを応用してのスマートフォン・タブレット向けのアプリ制作を学び、修了された方がご自身でアプリを公開するなど、高い技術の習得にも繋がっております。
現在、平成27年度4月開講のコースの受講生の募集が行われておりますので、就業に向けてのスキル習得を目指される方は、是非ともご検討下さい。
(山崎)
東京都障害者IT地域支援センターは、4月21日より公式Facebookページを開設しました。
当センターでは、これまで情報配信の手段として、ホームページと2つのメルマガ「itc通信」「ITまなびー東京」を活用してきましたが、「いまこの情報をお届けしたい!」といった旬のネタをタイミング良く気軽にお伝えする場がなく、残念に感じることもありました。
そんなときこそ便利なツールとなるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。少人数での運営ゆえに時間はかかりましたが、満を持しての開設です。
今後はこれまで伝えきれなかった鮮度の良いセンターだよりや最新IT情報、イベント情報などを、随時お届けしてまいります。是非のぞきに来てくださいね。
これまで伝えきれなかった鮮度の良いセンターだよりや最新IT情報、イベント情報などを、随時お届けしてまいります。皆さまの「いいね!」をお待ちしております。
◆東京都障害者IT地域支援センター Facebookページ(今津)
●お問い合わせ先
東京都障害者IT地域支援センター
〒112-0006 文京区小日向4-1-6
電話 03-6682-6308 FAX 03-6686-1277
<就職おめでとう> |
|
◆ジョブサポートパワー株式会社にて在宅勤務決定 |
|
<資格取得おめでとう> |
|
マイクロソフトオフィススペシャリスト Excel2013 合格 |
|
先日IT技術者在宅養成講座の第31期生の修了式が行われました。講師として2年間関わってきた受講生の方々が、新たな旅立ちの日を迎え、様々な思いが込み上げてきます。
この2年間でどのように成長したかはご本人が一番よく分かっておられるはずですが、指導に当たった講師としては、「受講して良かった」の一言が、何よりもうれしい言葉でした。
(山崎)