■在宅就労セミナーのお知らせ
〜障害者雇用促進法改正で、在宅就労に何が起こる?〜
■シリーズ第6回 東京都障害者ITサポートセンター便り
『サポーターズ・カフェを利用しませんか?』
Vol.39
CONTENTS 2006.11(平成18年)
■在宅就労セミナーのお知らせ
〜障害者雇用促進法改正で、在宅就労に何が起こる?〜
■シリーズ第6回 東京都障害者ITサポートセンター便り
『サポーターズ・カフェを利用しませんか?』
この4月より完全施行された「改正障害者雇用促進法」によって、在宅で働く障害者に対する支援が強化されることとなったのは前号、前々号でお伝えしたとおりです。しかし、就業機会拡大を推し進めるものとして注目を集めている割には、「実際のとこどうなの?」、「興味はあるけど…」で終わっている事業主の方も多いとうかがっています。
そこで、スタートラインに立って間もないこの法改正と諸制度について正確に紹介し、働く人や会社にどのような変化を及ぼす可能性があるかを幅広く考えていきたいと思い、今回以下のようなセミナーを開催することといたしました。今まで在宅就労について興味や知識をお持ちでなかった事業主の方にも、雇用の多様性を考える一途としていただければ幸いです。
(堀込)
※また、年あけに第2回のセミナーを実施する予定です。こちらは、非雇用の形(SOHO)をメインとした内容で行ない、障害のある在宅就労希望者の方、就労支援団体の方を中心に募集いたします。こちらもお楽しみに!
伊ア 一世さん (20代)
(内部障害1種1級)
(IT技術者在宅養成講座'06年修了)
株式会社はなまる
総務部 勤務
入社時期 |
2006年4月 |
雇用形態 |
契約社員 |
勤務時間 |
10:00〜18:00 (1時間休憩含む) |
就労場所 |
自宅 |
出 社 |
不定期 |
仕事内容 |
店舗から出てくるアンケートの入力作業が中心 |
今春入社されたピッカピカの在宅勤務一年生、伊崎一世さんの登場です。
高校卒業後東京コロニーの在宅パソコン講習を受けた後、「はなまるうどん」で有名な株式会社はなまる様に就職。箸が転げてもおかしい年頃? の一世さんのフレッシュなお仕事レポートをお届けいたします。
在宅で仕事をするリズムもつかめてきました。今、家で作業ができることのありがたさをひしひし感じていますよ。わたしははたから見ると元気そうに見えますが心臓の病気なので、長い徒歩や階段など通勤が辛いんです。加えて血圧の関係で朝がしんどい。現在は仕事開始にあわせて休んでいられるので、体調維持もバッチリです。
仕事は「はなまるうどん」の店舗に備え付けてあるお客様アンケートの入力です。
指示はメールや電話で会社から来るのですが、時には自宅に来訪の形で教えてもらうこともあります。仕事の量は常にたくさんあります、特にキャンペーンの時なんかは。宅急便さんがアンケートの入ったダンボール箱を持ってくる音がすると「ああ、来た・・」って思うことも(笑)。でも、週単位、日単位でアンケートをブロックにし、あせらず決めた量をこなしていきますから無理はしません。また、本当に体調が悪い日は上司にきちんと話します。上司は「体が第一だから」といつも電話で言ってくれ、また同じ内容をメールもしてくれるので、早くよくなんなきゃって余計思います(笑)。
アンケート入力の他にも各店舗からのオーダーを発注書におこす作業や、会社内部のwebを各部署からの情報で更新する仕事もしています。
やっぱり一人での入力作業ですから「孤独」はつきまといますよ。元来話好きの方なので、初めの頃は作業の途中で緊張が途切れて「少し休もうかなーー」という瞬間が多々ありました。そのあたりから音楽を小さく流すようにしたら、入力作業ってテンポがあるので、思った以上にはかどることがわかりました。最近は自分で歌うことも、ははは(笑)。
とにかくストレスが溜まらないように、「仕事仕事……」って思わないで楽しくやるってことも自分に言い聞かせてます。
それとね、会社にいる上司や同僚とのコミュニケーション、これに助けられます。朝夕の業務連絡の電話でも「あれ?、声違うけど風邪ですか?」なんていつも親しみのある言葉をかけてくれます。ちょっとしたことだけど、一日が変わります。
アンケートって奥が深いんですよ。お醤油やワカメがついてたりするけど、お客様がお店で書いてる「そのまんま」が読めるんですから。
選択肢の他にも欄外に色々書いてあるんです。「子供用の椅子を増やしたら?」っていうアドバイスから始まって詩が書いてあったりね(笑)。それを汲み上げる作業は現在わたしの仕事の範疇ではないのですが、これを肥やしにしておいて、またいつか会社やお客様に還元できたらいいなぁと思います。
今後はますます「入力の達人」になりたいです。テンキーなんかをもっと効率よく使ったりして。一方で休憩などもきちんと自己管理し、いつでも会社からの要望に答えられる伊崎でありたい、と思います。
アドバイス?、そうですね。わたしはパソコン講習ではシスアドの学習などを中心にしたのですが、そこで勉強したことって確かに職場で即使ってないかもしれません。でも、時に「あ、あのことか」って話が通じる時がある。それがいっぱいあればきっと自分の可能性が広がると思う。
だから、将来の自分を信じて、何ごとも理解しようと思ってほしい……なんて感じかな。
「在宅で働く」というと暗いイメージがありますが、伊崎さんの持ち前の明るさが勤務への工夫となっていて大変楽しいインタビューでした。見せていただいた会社からの指示書が細かく、かつわかりやすいことにビックリ。会社の方から適切な配慮をいただいているんだなぁと感心すると同時に、それに感謝しながら働いている伊崎さんも垣間みえ、心強く思いました。
(堀込)
センターでは、この5月よりサポーターズ・カフェと銘打って、選択型の講習サービスを開始しました。利用希望者はネットで好きな講座を選んでメールか電話で申し込み、あとはご希望の日にセンターにおいでになるだけ(料金は全コース資料代300円)。
講師は全員センターに登録しているサポーターさん(ボランティア)です。おのおの自慢のITの腕を2時間のカリキュラムに組み立ててくれています。講義はマンツーマン、ご友人と一緒の受講もOKです。
現在、講座は約20コース。例をあげると…
「生涯日記、始めませんか?」・「画像情報の整理術」・「素敵なはがき絵をつくろう」・「My名刺をつくろう」・「iTunes(アイチューン)で音楽を楽しもう」・「Googleで調べよう」等々。流行のブログやエクセル、ワードの基礎も人気です。その他、今後は視覚障害の方対象の読み上げを中心としたコースも増えていきます。
ぜひ、街角のカフェでおしゃべりをするように、気軽においでくださいね。
(堀込)
●サポーターズ・カフェ http://www.tokyo-itcenter.com/500jigyo/cafe/index.html
●東京都障害者ITサポートセンター 電話:03-3208-0471 FAX:03-3208-0472
東京コロニーが運営する在宅就労(SOHO)グループ「es-team(エス・チーム)」では、職員が登録ワーカーの職場(主に自宅)に訪問し、ヒアリングを行う「定期訪問(原則年1回)」を昨年より実施しています。
この訪問の主な目的は、(1)職員がes-team全体の近況や今後の計画等を伝える、(2)日ごろの委託業務において、仕事内容や条件の中で気づいた点や体調のこと等を伺い、課題があれば改善していく、(3)職場環境(PCや周辺機器、シーティングなど)を実際に見ながら、必要な情報提供を行う、等があげられます。
話す内容は登録ワーカーによって個人差があるものの、実際に対面によるヒアリングを行うことで、普段の業務やネットを介したコミュニケーションの中ではなかなか伝わりにくい要望事項や、仕事以外の活動や趣味のことなども知ることができ、少しずつ成果を挙げています。
在宅就業支援団体制度の発足などにより、在宅で働く人たちの支援も進みつつありますが、雇用・非雇用(請負)にかかわらず、在宅就労というスタイルを選択する人たちが今後増えることも予想されます。
「よりよい環境で在宅就労を!」をめざし、es-teamではこうした活動が少しずつ仕組みとして定着し、個々の事情やキャリアプランに応じたサポートができるよう、これからも継続して取り組んでいきたいと考えています。
(吉田)
職能開発室では従来より在宅での教育事業を行っていますが、このたび、新たに(財)東京しごと財団より委託を受け、就労のための訓練事業としてのe−ラーニングコースを11月よりスタートいたします。
このコースでは、在宅就労においてニーズの高いWebサイト制作に的をしぼり、4ヶ月間で
・Webアクセシビリティの考え方
・スタイルシートによるページデザイン
等の仕事に直結する技術を学びます。また、実際の仕事を題材にしてグループ演習を重ねることで、仕事の進め方やビジネスマナーの習得を目指します。
これからも時代のニーズに合わせた教育事業を展開していきますので、どうぞご期待ください。
(岩田)
2007年度 「IT技術者在宅養成講座」 受講生募集
2年間で就労に必要なIT技術を学ぶ標記講座では、今年も新講習生の募集を開始しました! 受講対象は身体に重度の障害のある東京都在住の方となります。詳細は以下のサイトをご覧ください。
◆基本情報技術者試験合格
K.M さん エリテマトーデス 2種3級
(IT技術者在宅養成講座 受講中)
◆マイクロソフトオフィススペシャリスト試験 Excel2003合格
H.N さん 関節リウマチ 1種1級
(IT技術者在宅養成講座 受講中)
es-teamのワーカーの方に新しい名刺のデザインを依頼したところ、背景に私の似顔絵(「ワーカーのお宅訪問」の記事参照)がデカデカとクローズアップされている、とても愉快な案が届きました。非常に気に入っています。お客さまにも好評です。欲しい方さしあげます(笑)。
(吉田)