昨年の6月に「JIS-X-8341」、いわゆる高齢の方や障害のある方などに配慮された「情報アクセシビリティ指針」がJIS(日本工業規格)化され、特に利用頻度の高いWEBコンテンツの分野においては、公的機関をはじめ、企業のサイトなどにも規格への対応が求められるようになりました。制定から約一年が経ちましたが、この間、コンテンツを企画・制作・運用に携わる関係者の間でも、その重要性や有効性についての認識が加速度的に進み、ガイドラインの構築やビジネスアプローチが積極的に行われています。
こうしたなか、WEBコンテンツの設計・開発者やクリエータ、デザイナーなどを対象としたセミナーがあると聞き、4月22日(金)に開催された「Ac+C'04(アックゼロヨン)・WEBアクセシビリティセミナー」(主催:社会福祉法人プロップ・ステーション)に参加させていただきました。このセミナーでは、実際に制作アプリケーションを用いた専門的な講義の他、段階的にアクセシビリティに取り組むことへの推奨のほか、検索結果で差別化をはかるためのコンテンツ最適化の必要性などにも言及され、情報保障の確保がいかに多くの人にとって有用であるかを知ることができました。
WEBのアクセシビリティは、特別に難しい技術を必要とするわけではなく、基本的な知識をうまく組み合わせることによって、誰でも取り組むことができるものと思われます。むしろ、WEBを通じて発信する情報の伝達保障がどれだけ多くの人に価値を生み出すか、あるいはクライアントにとってメリットとなる価値をどれだけ創造できるか、といったことの認識が重要であると考えます。
東京コロニーが運営する在宅就労(SOHO)グループ「es-team(エスティーム)」では、WEBコンテンツ分野における最適化のためのガイドラインづくりに取り組んでいますが、当事者の目線でアクセシビリティを検証できる強みもあり、「誰にでも見やすいサイト」がもたらす社会的意義や、自らの価値の上昇に向け、これからも研鑽を重ねていきたいと思います。
[吉田]
WEBアクセシビリティとクリエイティビティを考えるフォーラム「Ac+C'04(アックゼロヨン)」
http://www.acc04.jp/
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