今年度4月をもって終了した上記研究会(座長:法政大学 諏訪康夫教授)は、報告書の中で、在宅就労の支援の形や方向性について、初めて明確な施策案を出しました。 方向性として盛り込まれたのは、以下のようなものです(「報告書の概要」の一部を編集)。
●障害者の在宅就業支援策の方向性
(1)障害者の在宅就業への発注奨励
(一定額以上の外注を一人分の雇用とみなして雇用率に算定する、あるいは雇用率未達成企業等が支払うべき納付金の減額、雇用率達成企業等が受け取る調整金、報奨金の加算等)
(2)官公需における配慮
(在宅就業に対する発注上の優遇措置)
(3)セーフティネットとしての支援団体の整備・育成
(4)在宅勤務の環境整備
(在宅勤務の雇用管理者配置の助成措置等)
(5)能力開発機会の提供
(ITを活用した在宅での技能習得等)
(6)在宅就労コーディネーターの育成
(請負、雇用双方でのコーディネーター育成・配置支援)
ポイントのひとつは、企業が在宅就労者へ仕事を発注する際のメリットを明確にする、ということですが、あわせて、支援団体を核とする教育から仕事への柔軟なしくみを作ることが、裾野を広げていく鍵となることでしょう。「教育」の面では、企業が仕事を出すだけでなく、一定期間トレーナーを派遣するようなやり方も望まれるかもしれません。
現在、厚生労働省では具体的な支援策の検討に入っており、来年の通常国会で法改正を目指すようです。先般可決された新・障害者基本法を根本とし、あらゆる働き方が保障される日を皆で期待したいものです。
※報告書は以下で読めます。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/04/s0409-5.html
[堀込]
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