◆ 今回のパネラーは… ◆
在宅勤労者: |
「福祉パソコンの会」上條 一男氏
「サイバード」広岡 馨氏 |
企 業: |
乃村工藝社 佐藤 信行氏
日本モトローラ 西川 あゆみ氏 |
労働行政関係者: |
日本障害者雇用促進協会中央雇用情報センター
小泉 曜子氏 |
9月25日、赤坂区民センターにて芝園橋ハローワーク主催の上記のシンポジウムが行なわれました。
参加者は、東京港区内に本社を置く企業230社の人事担当者です。
テーマは在宅勤務に絞られたもので、在宅就労者、企業、労働行政関係者によって、それぞれの経験値に基づいた論点が出されました。
この7月より法定雇用率は1.8%にアップしましたが、現段階での雇用率は1.47%。
小泉氏のお話によると、雇用納付金(300人以上雇用している企業が法定雇用率に達しない場合支払う)は、なんと300億円に達するのだそうです。
「在宅で働く」ということがそんな状況をどう変えていけるのか。 「通勤で人間関係や労働環境に疲れ果てた障害者たちは、職安や企業でなく我々のようなグループにやってくる」、
上條氏は自らの企業戦士時代の話も交え、必ずしも障害者が「雇用されること」を望んでいないこと、当事者が率先して教育、就労、就労支援を担う活動の大切さを語りました。
これを受け、企業の方々からは「雇用となると技能を持つ方を探す。 そういう人は一体どこにいるのか」、「国のリハビリ機関などにおける教育を、即戦力がつくもの、ニーズに対応できるものに変えていってほしい」というような切実な声があがりました。
また、制度の面では「障害者団体へ仕事を発注した場合は、請負であっても雇用率に換算される」ような柔軟化が意見として出され、今までの
「障害者雇用」という概念のパラダイムシフトが迫られていることを感じさせました。 しかしその一方で、広岡氏の発言にあった「社会の激変の中で障害者を雇用することで企業は強くなる」という一言も鮮烈に参加者の胸に響きました。
「在宅雇用」というケースを在宅講習生の方を通してこれまでに僅かではありますが、見て参りました。 そこで、痛烈に感じることは「問題解決能力の育成の必要性」です。
これまで社会で働いた経験のない者が在宅という独特の環境で働いていくには、技術的にもメンタルの部分でも多くの問題が発生することは、ある意味で当然のことでしょう。
ここで、その解決のためにどんなアクションを自分がおこすことができるか、この能力の育成は、「雇用」でも「請負」でも鍵なのではないかと考えます。
各地に就労支援団体が立ち上がってきつつあります。 社会を変えていけるような嬉しい気運がのぼります。 あくまでも個人の「幸福論」を根元とした「働き方を選択できる未来」を、今回のシンポジストの方々と一緒に考えて行きたいと思います。
(堀込)
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