去る、8月31日東京南麻布のNTT(関東支社)ラーニング・システムズにおいて「Challenged Japan Forum」が開催されました。
『チャレンジド(Challenged:アメリカでは障害のある人々をこう表現しています)たちを納税者にできる日本』をキーワードに
Challengedの自立と社会参加、とりわけ就労の促進を目標に活動を続けている大阪のNPO(民間非営利組織)プロップ・ステーションと(株)ニューメディアとの共催で行われました。
意欲と能力を持つすべてのChallengedを「納税者」にと一言で言っても、既存の社会システムを越える新たなシステムを構築するには、多くの創造的行為が必要です。そこで、各立場の方々が意見を自由に交換することで、新たな社会構造と政策的な展望づくりを目指す目的でこのフォーラムが開かれました。フォーラムにはChallenged・企業・外郭団体・各省庁大学関係者と各界でご活躍されている方々50名程度が参加しました。Challengedを納税者にということでは、既に多くの関係者による実践がありますが、最近の動きや今回のフォーラムからこの分野においても一つの変化の確かな兆しを感じました。
フォーラムの中で話し合われた内容まではこの紙面では語ることはできませんが、特に印象深かったことは『これまでは国家主体の健常者中心の社会であり、障害者や子供、老人は保護・観察・強制の対象であったが、これからは市民を主体としてひとりひとりの生き方を尊重するボランタリな社会に変わっていくだろう』とある方が話されたことです。
確かに、PC通信やインターネットなどネットワーク化が急速に進み、上下の階層化された情報伝達システムが急速に壊れつつある今、ハンディを持つ人たちも一市民として対等に社会に参加する可能性が高まってきました。併せて働きたいと願っているChallengedにとってもコンピュータネットワークは強力なツールとなり得るに違いありません。これまでの「社会から何とかしてもらおうとする受け身的な考えではなく、社会に対して何ができるかという能動的な考え」が、ごく普通にできる社会を築きあげていきたい。
ひとりの市民として対等な関係を保障するには、もっと積極的な社会構造の支援のあり方が必要ではないだろうかという思いがこみ上げてきました。
このフォーラムの目的もまさにここにあるのだと思います。このフォーラムをキックオフとして新たな何かが生まれていくことを期待すると共に私自身微力ながらも関わりを持ち続けて行きたいと思いました。
このフォーラムに関する記事のホームページアドレスは
http://prop.vcom.or.jp/CJF11-9-2.htmlです。
(小川)
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