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最近の問題二つ

『JDジャーナル』1999年06月

 5月に「精神保健福祉法」の改正が成りました。全体として一定の改善となっているとの評価はできますが、やはりまだ道遠しの感であります。
 とくに問題視されている保護者の「自傷他害防止監督義務や治療を受けさせる義務の規定」については、自傷他害監督義務規定は削除、治療を受けさせる義務は、任意入院者と通院医療を受けている者については免除すると改められ、かなりの改善が図られました。
 ご承知のように、わが国には現実の社会や家族の実態と大きく乖離した家族制度規定が温存されており、民法877条から881条まで扶養義務の規定で、扶養義務を2親等までとし、家庭裁判所の判断によって3親等まで扶養の義務を負わせることがあるとし、扶養の順序、扶養の程度および方法、扶養関係の変更または取消し、扶養請求権の処分の禁止まで、それぞれ規定しています。この規定は、わが国の障害者や高齢者施策を家族責任の域にとどめる根拠となっています。精神障害の分野は、この規定のうえに、さらに精神保健福祉法で保護義務を課し続けてきているのであり、酷な制度であります。仮に保護者の義務規定が廃止されても、扶養義務は続くのであり、身体障害や知的障害もそうであるように、家族に依存する状況に変化はないのであります。
 入院患者は34万人弱と、減ではなく、むしろ微増であります。国の精神障害者の社会復帰対策の予算は、ようやく100億円を越えたという、超低レベルであります。障害者施策全体もそうですが、とくに精神障害の分野に本格的な構造改革が求められているといえるでしょう。
 次に、障害者差別法といわれる欠格条項の見直しの方針が、近々「障害者施策推進本部」として決定される状況になっています。当協議会は平成5年に「欠格条項の全面見直し」を求めて、衆・参両院議員全員に要望する活動を行いましたが、大詰めを迎える段階で「作業グループ」を組織して、欠格条項をもつ79の制度を具体的に検討し、それぞれ具体案をまとめて総理府障害者施策推進本部に提起し、欠格条項の廃止可能との見解をまとめ、その方向で方針化されるよう主張しています。
 今後は各制度毎の見直し作業に入ることになりますが、この段階に入るとさらに障害者団体側の大きいエネルギーが必要となります。実現のために連帯し、共働したいと思います。

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